”鹿角のお産”を考える(後編)
「2月からかづの厚生病院での帰り出産の受け入れ中止」と、
「将来的に分娩機能が大館市立病院に集約される可能性あり」という情報を受けて企画した
「“鹿角のお産”を考える」というイベントの報告です。
後編はメインプログラムである「鹿角で安心してお産ができるようにするためには」についてです。
【メリットとデメリットを考える】
経緯と現状の把握のあとは、今回のメインプログラムである“考える”時間です。
まずは、「かづの厚生病院に産婦人科があることのメリット」を考えました。
妊婦にとって、家族にとって、子どもにとって、または、移住者にとって、など色々な視点から考えました。
(内容については以下の画像をご参照ください)
近くにあるという安心感が最も強調されており、かづの厚生病院で子どもが産めるということが鹿角の魅力の一つであると改めて感じました。
次に、大館市立病院に里帰り出産を含めた分娩機能を集約するメリットを考えました。よく分からない場合は予想でも良いとしました。
(内容については以下の画像をご参照ください)
出された意見を見ると、医師や派遣元の大学にとってのメリットが目立ち、鹿角市民にとってのメリットは考え辛いようでした。
引き続き、大館市立病院に集約するデメリットを考えてみました。
(内容については以下の画像をご参照ください)
最初に考えた「かづの厚生病院に産婦人科があることによるメリット」の反対が、
大館市立病院に集約するデメリットであるという意見もありました。
特に妊婦の移動に関するデメリットが多く挙げられました。
一方で、大館市立病院で出産した親族がいる方からは、4人部屋といっても広い部屋でプライバシーも守られており、
個室でない事はデメリットに感じなかったという話も出されました。
【鹿角で安心してお産ができるように】
最後に、これまでの経緯や現状、厚生病院や大館市立病院のメリットデメリットを踏まえたうえで、
鹿角で安心してお産ができるようにするにはどうすればよいか、ということを考えました。
これから解決しなければいけない問題は、かづの厚生病院の産婦人科がなくなるということ自体ではなく、
鹿角で安心してお産に臨めなくなることですので
厚生病院の産婦人科を維持するということだけにこだわらず、
集約された場合どうすれば安心できるかということや、そもそもそれ以外に道はないかということを、
自由に考える時間としました。(実現可否は問わず)
(内容については以下の画像をご参照ください)
【今回のまとめ】
“鹿角のお産を考える”という企画を通して、私たちかづの若者会議メンバーを含め、いかに今回の件に対して知らないことが多いかを実感しました。
そもそも、いろいろなことに対して憶測で判断しがちであるため、今回デメリットやメリットとして挙げられていたことに関しても、事実を確認する、経験者から聞くなど、もっと情報収集と共有に努めなければいけないと感じました。
今後は、全国の状況や、病院が集約されたり無くなったりした地域のことも調べ、色々な可能性を考えていきたいと思います。
※お前たちは考えるばかりか!と感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、今回の件についてはメンバーの中でも多様な考え方や立場があり、かづの若者会議という一つの団体として直接解決に向けた行動を起こすことは難しいと考えています。
今回の件に対する実際の行動に関しては、それぞれの判断で個人として動くことになりますが、一緒に意見を交わしながらよりよい方法を考えたり、学んだりする場を設けることや、若者向けに情報発信をしていくことが、かづの若者会議としてできることかと思っています。